おいしいトマト

トマトに意味はないけれど、言葉に思いを詰め込んで。

Free Style 2020

こんにちは!おとです。

 

 

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でてん!大野さんの個展に行ってきたのでその備忘録☺️

 

 

⚠️注意⚠️

この先はネタバレしかしていません!

撮った写真もガンガン載せるし、あたかも全人類フリスタに行ったみたいなテンションで文章を書くのでネタバレ無理!という方は読まない方がいいと思います。読む時は自己責任でね!

 

もうひとつ言うと、私は大野さんについてほぼ何も知らないです。フリスタに行ったのも初めてなので、この作品はこんなバックグラウンドがあるんだよ〜とか知らないし、作品集もまだ届いていないので本当になにも知らないです!事前情報ゼロ!変なこと言ってても許してね。

 

 

 

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〈 FREE STYLE  2020 ×『智のカレーパン』 

幸運なことに個展とカフェ両方のチケットを取る事が出来たのですが、私は個展よりも最初にパイナップルジュースとカレーパンの人間だったのでまずはカフェから。私は15:30入場、15:20 集合のチケットを持っていたのですが、のんびり髪巻いてたら家出るのが15分も遅れてまさかの遅刻😇

 

六本木駅からガンダして15:40頃にようやく到着😇 正直私のパイナップルジュースは彼方に消えたと思った。

会場にいたスタッフの方にダメ元でチケットを見せて遅れてしまった旨を説明したのですが、有難いことに中の人と取り合ってくださって16:00からの回で中に入れてくださいました。本当にありがとうございました&ご迷惑をおかけしてすみません。

(私が入れたので多少の遅刻は許してくださると思います。もしこれから行く方で遅れちゃったとしても諦めずにスタッフさんに言ってみてください。まぁ大前提として遅刻はダメだけど……)

 

ちなみにカフェの方は撮影可能だったのでみんなバッシャバシャ写真撮ってた。BGMは大野さんのソロ曲とカメラのシャッター音📸

 

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20秒限定でこの絵とグリーンヘッドくんの写真を撮ることができます。こんな感じの写真が撮れるよ!すてき!

ちなみに、グリーンヘッドくんはぐるぐる回ってるので20秒の間に正面を向いてくれたらラッキー!くらいの感覚でした。グリーンヘッドくんを360°撮りたかったら待機中に撮っておいた方がいいと思います。20秒じゃ絶対無理(笑)

 

で、そのあとパイナップルとカレーパンを受け取ってカフェはおしまい!

全部で何分くらいかなぁ。カフェ店内に入ってからは15分もなかったと思います。

 

で、受け取ったパンとジュース↓

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パイナップルジュースはね〜、あまい!笑

でも嫌な甘さじゃなくて、甘いけど爽やかな感じ(そりゃそう)おいしいよ〜

カレーパンはね、わたし大野さん監修だからとんでもなく辛いカレーパンが来ると思ってたんだけど、全然辛くない美味しいカレーパンでした。たぶん5歳の子でも食べられる😋

 

 

 

 〈 FREE STYLE 2020〉

森美術館の受付に行く前に、フリスタのチケットを持っている人は整理番号順に並ばされます。上に行く為のタワー(?)の入口でチケットが必要なので事前に出しておくのがいいと思う。

整理番号の確認もお忘れなく。早い方が楽。

 時間になるとようやく上に上がらせて貰えるのですが、上に上がる前に本人確認をします。検温はたぶんここだったと思う。(もう記憶ない)

 

あとはスタッフの方の指示に従って上にいけば🙆🏻‍♀️

 

で、ここからが個展の内容のお話。

 

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どん!!

その前にもいくつか作品はあるんだけど、入ってすぐのところに巨大グリーンヘッドくんと巨大カイトがあります。

写真を撮れるのはこの2作品だけで、この先はスマホやカメラなどを出しているだけで注意されるので気をつけて〜

スマホを出すことができないので、時間が気になる人は時計を持参していった方がいいと思います。スタッフさんに聞いても教えてくれるみたい🙆🏻‍♀️

 

ここ、結構みんな写真撮影に夢中になってて後ろの絵を見てないので絵をマジマジと観察するにはめちゃくちゃ都合がいいです。

私は写真は適当に撮ってず〜っと絵を見てた(笑)細かいところまではあんまり覚えてないけど、今回のために描かれた抽象画でした。

 

思う存分に写真を撮った後は作品をバーっと見ていくんだけど、全部は書ききれないので印象に残ってるやつだけピックアップ。

 

①グリーンヘッドの大群

巨大グリーンヘッドの先にあるあの模型(?)たち。

色んな子がいたんだけど、特に印象に残っているのがみんなが想像する「ジャックスパロウ」を盛りに盛ったみたいな、金色の胴体のヤツ、あの子。一人だけ豪勢に着飾って ”I'm the best king in this world!!!!!!!!!" みたいな顔してるのがめちゃツボだった。買いたい。

 

 ②煩悩くん

作品に題名がないから勝手に煩悩くんって呼んでるんだけど、2015年のフリスタの時の作品です。壺の上に頭が乗っていて、その上にキャンバスと沢山のグリーンヘッドくんがくっついているもの。怪物くんのひとつ手前にあるよ。

 

個人的に一番好きだった。この作品。

 

この作品がどんな意味を持つのか本当のところはわからないんだけど、壺と隣に置かれた柄杓がわたしにはお寺の鐘に見えて。頭の中にある色んなものを柄杓で少しづつすくってこの壺の中に戻していくのかなあ、なんて。

 

壺の中に押し込められていた自我がどんどん大きくなって耐えきれずに壺から飛び出した、みたいな勢いも好きだし、隣に置いてある柄杓がこの先にも物語があることを示唆している気がして、意識の表象というよりかはある瞬間を切り取ったかのような躍動感前後(=時)を感じられる壮大な世界観がすごく心地よかった。

 

たくさんの煩悩くんたちの表情をもっとじっくり見ておけばよかったなあ。

 

③動物たち

これはひとつの作品に対しての感想ではないのだけど、大野さんの描く生き物の肖像画は顔の右側と左側で印象が違うというか。ざっくり言うと片側は明るいけれど反対側は暗いのね。

例えば赤ちゃん(?)の横顔の絵。横顔が描かれていた右側は明るくて、目も色んな色で溢れていたけれどその目は黒く渦巻く何かを見ていて。パグの絵も女の子の絵も。全部そう。

 

でね。ここからは私の妄想だから適当に聞き流して欲しいんだけど。

これって大野さんの人生観が現れているのかなあ、って。去年の24時間テレビの絵もそうだったじゃないですか。上の方に蓮の花が咲いた綺麗な絵だけれど、細部には苦しみもちゃんと描かれていて。蓮の花も泥の中に咲くものだし。(こんな感じのこと言ってたよね、?)

 

フリスタに展示されていた色んな生き物の肖像画も光と陰が描かれているのは間違いないと思うんだけど、どうしても私はその生き物たちの表情を見て「楽しそうだなあ」とは思えなかった。どこか物事を達観してるような、悟りの境地に達したようなそんな表情。

 

蓮の花が泥の中に咲くのと同じように、大野さんの人生観は受難や混沌としたものをベースに、その中に希望がある、みたいな感じなのかなあって、なんとな〜く。

 

④チビさとしの作品

 

笑ってもらっていいんだけど、周りの人が辞書の「微笑ましい」の参考写真かのような表情で幼い頃の大野さんの作品を見ていた中でひとりだけ泣きそうになってた(笑)

 

もう何回も聞いたドラゴンボールの絵とか、もう何回も見た写真のホンモノとか。

ああ大野さんって本当に生きてるんだなぁって。

 

中学の頃の期末テストの用紙や小学生の時の作文がこんなにも綺麗に残っているところに大野さんの御両親の愛を感じたし、今年のお正月に放送された嵐ツボで大野さんが御両親についてお話していた時、現場はきっとこんな空気だったんだろうなぁと思わずにはいられない何かがあのショーケースの中に詰まってた。

 

本当に素敵だった。

 

⑤アトリエ(?)の再現

 

いや〜もうここはとにかく世界堂一択。

 

それまでハ〜!大野さんやば…って、大野さんが雲の上の人であることを全身で感じてたのに、突然の世界堂*1世界堂!!!!!!!!!!!!!!

 

いやその緑色の包装紙めちゃくちゃ見覚えある、私もすごくお世話になってる。大野さん世界堂で画材買ってるの?マジで?

 

このさ、世界堂が醸し出す親近感よ。

私とは全く違う雲の上の存在である人の世界観の中に突然現れた私の日常、なんだかすごくチグハグでおかしくて、ああ愛おしいなあって。

 

あとね、2020年が終わっちゃったら私が大野さんをリアルに感じられる場は無いんだなあってなんとな〜く思ってたのに、これからは世界堂に行く度に「ここで大野さんも画材買うんだよね」って大野さんを感じられるんだなあと思ったら、うん。ちょっとだけ、この先も生きていけるような気がした。ちょっとだけ。

 

⑥緻密画

 

新聞に載っていたアレです。

これ実際に見てみると想像以上の情報量だから是非本物を見て欲しいんだけど…

 

この絵、左下に「さようなら」って描いてあるの。

 

見つけたとき、心臓が跳ねたよね。

アッパー食らったみたいにじわじわと、なんとも言えない衝撃が広がって、ただただ呆然とその場に立ち尽くして。

 

まあどういう意図かはわかんないけど。苦しかったなあ。今も苦しい。

 

でも、唯一の救いというか、希望というか。

「さようなら」の近くには「死」っていう文字も描いてあるんですよ。(これも見つけた時背筋が凍った)

 

私が着目したのは緻密画の中にたくさん散りばめられていた文字の細部についてで、この「死」の文字の中身は斜線で塗りつぶされているのに対して、嵐のメンバーの名前の一文字を書いた文字はこの文字とは違ってベタ塗りで黒く塗りつぶされて、艶(?)のような表現もあるんですね。

 

「死」の文字が抜け殻のように見えた私は、五人の名前の一文字は「死」とは対極に全てが満ち満ちているように見えた。

 

そんなの前から知ってるよ!って言われるかもしれないんだけど、たぶん大野さんの中で嵐のメンバーは「死」とか「さようなら」とかマイナスな言葉とは一線を画した純粋な明るい光なんだろうなぁと思って。この緻密画を見ている間は正直苦しかったけど、そこだけが唯一わたしが縋れるものでした。

 

 

⑦ ありがとう

 

一番最後に飾ってあるもの。

色んなものを見た後だから余計に感じたんだと思うけど、これ絶対に "Thank you for coming!" みたいな明るいものじゃなかった。

 

これを見たときに「あぁ現時点で大野さんはもうココに戻ってくるつもりはないんだろうなぁ」ってなんとなく感じて、文字通りこの個展は集大成だったんだろうなぁとその時ハッキリと理解した。

 

幼い時の作品から始まった表現者としての「大野智」はここで一先ず終わりを迎えるんだろうなぁと思って、自分の中ではどうすることも出来ない大きな大きな感情に飲み込まれて呆然としながら家に帰りました。

 

ああ、そう。家に帰ってからもずっとこの大きな感情と対話し続けて、なんとな〜く思ったことをそのまま書き残しておくんだけど。

 

この大きな感情、去年同じ場所で開催されていた塩田千春さんの「魂がふるえる」という展示を見終わった後の感覚に近いものを感じていたんだけど、たぶん両者ともある意味での "死生観" に触れていたからなのかなあと思って。

 

塩田千春さんの作品は彼女の中にある死生観そのものを表現した、という感じで今回の個展は前述したように表現者としてのひとりの人間の始まりと終わりを感じたのかなあと思います。前者は思想としての生と死で、後者はある意味での物理的な生と死というか。うーん、うまく言えないんだけど。

 

(厳密に言えば違うんだけど)生と死に触れた時と同じような感じがしたよ、というお話。

あくまで私が感じたことだけどね!

 

まぁ総括するとクソデカ感情ということです。以上!

 

この先どうなるのかはわからないのだけど、ひとまずこれが今の大野さんとのお別れというか。大野さんの目に映る景色を見せてくれるのはこれが最後なんだなあ、としみじみと実感した個展でした。

本当に切実に大野さんのことが好きな人全員に見てもらいたい。大野さんのことが好きな人みんなに機会が訪れますように。

 

かなり重たい話をしたけれど、この個展を開いてくれた大野さんには感謝しかないです。こちらこそ本当にありがとう。とても楽しかったです。

*1:画材屋さん。建築模型の材料が売っているのでよく行く。